こんにちは!!みったままです!!!
私は総合病院の看護師として約20年務めていましたが、私が就職して初めてつまづいたのが、情報収集でした。
当時は、新人の部署配属初日から、日勤で担当患者は軽症ではありますが、8人~10人。
(看護体制が今とは違いましたが、今考えても過酷!!)
学生時代は、決められてた枠を埋めていくだけ。
そして、1人の患者さんをじっくり看護というものを学ぶため、所定の用紙に決められた内容を埋めていくだけ。
まず、情報収集しないといけないことは分かりますが、働きだすと、情報収集用紙には、名前を書く欄があるだけで、その他は、何を書いても自由。
働くにあたって、必要な情報とは???
じっくり看護を学ぶとき(看護過程で)必要な情報は分かりますが、それが全部必要なのか?
その判断もわからず、私はとりあえず全部、情報収集していました。
学校では教えてくれないんです!!
働きだしてから、何が必要な情報なのか…
すごく時間がかかります…
(始業時間までに全員分の情報収集が終わっていないと、その後の先輩からの圧が恐ろしすぎて、かなり早めに出勤していました。)
でも、誰も教えてくれません。
賢い方ならわかるでしょ?!と思うかもしれませんが、私は分かるようになるまで、かなり時間がかかりました。
情報収集は、医療事故を防ぐためにも、かなり重要な仕事の一つだと思います。
そこで、情報収集する前に、これは押さえておきたい点について、経験をもとにご紹介したいと思います!!
情報収集すべき内容、これだけ抑えておくと大丈夫!!
疾患名
まず、一番大切な疾患名。
疾患名が分かれば、患者さんの検温の際に必要な、観察項目が必然的にわかります(疾患の知識がないとわかりませんが…)
例外として、確定診断がついてなくて、○○の疑いなどという場合もあります。
確定診断を付けるための検査を目的として入院することがあるからです。
その検査が侵襲を伴う時は、入院が必要となります。
余談ですが、今は、電子カルテを持ち歩く時代。
観察項目は分からなくても”仕事”はできます。
ベッドサイドで電子カルテを見ながら、観察項目を埋めていくだけなのです。
ただ、それが、正常なのか、異常のかは、知識がないとわかりませんし、本当に必要な観察なのかの判断もつきません。
”看護”を行うには、知識が必要なのです。
まずは、必ず必要な項目、疾患名!!
治療方針
これも、入院するにあたって、必ず必要です。治療をするために入院していますから。
手術をしに来ているのか、それとも、化学療法なのか、それとも、内服薬の調整なのか。
一つの疾患でも、治療法はいくつもあります。
患者の年齢、既往歴、全身の予備機能などの検査を受けて、医師が最適な治療法を検討しています。
そして、患者の希望と医師の考える治療法をすり合わせて、最適な治療法を決めるのです。
エビデンスが確立していて、標準的に行われる治療はこれ!!というのはもちろんありますが、そうでない場合も多々あります。
これも、必ず必要な項目!!疾患名とセットで抑えておきましょう!!
治療経過
治療の経過が順調なのか、何かしらの合併症や副作用が伴っているかというような情報です。
これが一番大事なところでもあり、一番難しいところかもしれませんね。知識、経験が一番現れるところだと思います。
(そして、先輩看護師から一番突っ込まれるところかと…😱)
難しい所ですが、治療経過もかなり大切!!ポイントをつかめば、わかるようになります!!
手術を受けた方ならば…
何の方法の手術を受けて、術後○日目(術後日数によって観察項目も変わってきますので、検温の際に注意する点を考えましょう)
傷の状態は良いのか、悪いのか。悪ければ、どう悪いのか。熱はないか、抗生剤は投与されているのか。
処置内容は?(消毒のみなのか、軟膏を塗ったりしているのか)医師がしているのか、看護師がしてよいのか。(病院や医師の考え方、術後日数や患者の状態によっても変わる部分だと思います)
ガーゼの種類は?何枚ガーゼが当たっているのか。(もしくは、オプサイトなどのテープ類があたっているのか?)出血や浸出液の汚染はないか。
ドレーンは?どこに何の種類のドレーンが入っているのか。排液の色、性状、量は?色、量などが異常の場合、ドクターコールのラインは?
食事は再開されているのか、摂取量はどうなのか。点滴は投与されているのか。(手術内容や術後日数が浅い場合に必要になります)
安静度は?離床はしたのか?どこまで歩いていいのか??麻酔の種類によっては、呼吸状態についても情報収集が必要になることがあります。
痛みのコントロールはできているのか?鎮痛薬は何を使っていて、最後に使用したのはいつ?その効果は?次に使える時間は?
化学療法を受けた方ならば…
化学療法の種類(薬剤名。単剤のときもあれば、複数使用することも、内服と注射を併用することもあります。)投与後、○日。
化学療法は、初回なのか、これまでに治療を受けたことがあるのか。(受けているなら何の薬剤を何回受け、今回は何回目なのか)
どのような有害事象が出ているのか。(薬剤の種類によって有害事象が違いますので注意です!!)有害事象の程度によって、対症療法を必要としていないのか。
例えば…
嘔気、嘔吐はないか。制吐剤は使用していないか。(化学療法する前は必ず前投薬で制吐剤が入りますが、頓服で使用していないか)
食欲はあるか。食欲低下している場合、水分はとれているのか。食事形態を変更しなくてよいか。持ち込み食を食べているのか。補助食を追加しなくてよいのか。
手術前日や退院前日は注意!!
この辺まで情報収集すると、手術前日や退院前日という情報は取れるのではないでしょうか。
手術前日や退院前日は、やること盛りだくさん!!
これも情報収集中に、やることリストをメモっておくと、やり忘れ漏れがなくできると思います。
手術前日、退院前日は、しないといけない事、todoリストを作っておくとやり忘れなくできますね!!
内服、注射
どの勤務においても、担当患者の内服薬、注射薬について情報収集する必要があります。
薬剤の取り扱いには、6R+Aという確認事項があります。
- 正しい患者(Right patient)
- 正しい薬剤(Right drug)
- 正しい用量(Right dose)
- 正しい方法(Right route)
- 正しい時間(Right time)
- 正しい目的(Right purpose)
- アレルギーの有無(Allergy)
情報収集の時から、この内容を意識しながら情報収集することで、誤薬も減らせると思っています。
内服薬については、管理方法についても情報収集する必要があります。
看護師管理なのか、自己管理なのか。看護師管理の場合は、配薬すると内服できるのか、開封介助が必要なのか、口の中に入れるまで介助が必要なのか。
ただし、注射薬に関しては、オーダーと実際に投与する時間の誤差があることがあります。
医師は、1日2回(もしくは3回など)投与されればいいから、看護師の良いタイミングで投与して!という感じでオーダーすることがあります。
病棟の業務に合わせて、看護師が時間を調整することは多々ありました。
正しい時間(Right time)に関しては、病棟の決まりを確認する必要があると思います。
内服薬は管理方法まで、注射は投与タイミングまでしっかり情報収集しておきましょう!
既往歴
これは、必要でないこともありますが、既往歴の中に、糖尿病があった時は注意しましょう!!
血糖コントロールはできているのか。血糖測定は何検しているのか。自分で測定しているのか、看護師が測定するのか。(最近はリブレを装着している方も増えてきました)
血糖コントロールはどういう方法なのか。内服薬なのか、インスリン注射なのか。
内服薬の場合は、検査、治療に応じて中止しないといけない場合があります。(造影剤の影響を受ける薬剤がありますし、絶食の場合は中止する必要があります)
インスリンの場合は、自己注射できるのか、看護師が注射するのか、インスリンの種類は何なのか、注射を打つタイミングはいつなのか。
インスリンの場合も、絶食したり、食欲低下している時などは、注射を減量、中止する必要があります。
医師の指示があるのか、無い場合は指示を仰ぐ必要があります。
また、脳梗塞などの既往がある場合は、麻痺があるのか、介助が必要なのか、ADLはどの程度なのか…
既往歴からも、大事な患者の情報が分かります。じっくり情報を取る必要はありませんが、自分が関わる上で必要な、糖尿病やADLが低下するような既往歴には注意しましょう!!
医師の指示の確認
指示の中には、注意すべき事があったり、上記内容の詳細が記載されてあることがあります。
治療の状況に合わせて、安静度が変わったりしますので、検査にはどのように行っているのか(車いすなのか、歩いていけるのかなど)確認が必要です!!
必ず目を通しておく必要があります!!
担当するその日の指示は見逃さないよう、注意しましょう!!
処方切れの有無
注射や内服の処方切れがないか確認をします。中止する記録や中止指示もなく、翌日からの処方がない場合は、医師に処方依頼をする必要があります。
(昔から疑問ですが、これ、医師の仕事ですよね?なぜ看護師が尻ぬぐいみたいなことしているのでしょう?)
これは、病院や病棟によっても違うと思いますが、リーダーがするところが多いと思います。ただ、メンバーがするところもあると思いますので、これは必要な時のみですね!
リーダーがすることもありますが、必要がある場合は内服薬、注射薬の情報収集するときに一緒に見てしまうと効率的ですよ!!
清潔ケア
患者の保清の状況についてです。
治療の状況や患者のADLによって、お風呂に入れていない場合は、清拭や足浴、洗髪を行います。
これは病院によって大きく異なるところかもしれませんが、看護助手や介護士がする病院もあれば、看護師がする病院もあると思います。
そして、看護師がする病院であっても、清潔ケア担当の看護師がいる事もあると思いますので、担当看護師が把握する部分ではないと思われるかもしれません。
が!!!治療が落ち着いてシャワーに入れる状況になれば、医師に許可を得て、可能な限りシャワーに入ってもらえるよう、ケアの変更依頼をするのは、看護師です!!(医師が自らシャワー可の指示変更をする人は少数ですので、看護師が医師に交渉しましょう!)
そして、カルテ上のオーダーがなく、患者も何も言わない方であれば、清潔ケアを忘れられていることも😱
自分がシャワーに入れない時の苦痛…
看護は、自分に置き換えて考えることも大事だと思います。
きちんと清潔ケアがされているかの確認、できる限りシャワーに入れるように手配をするようにしましょう!!
さいごに
時代は変わり、始業時間後に情報収集の時間が業務の一環として組み込まれるようにはなりましたが、そうではない病院もあると思います。
慣れない情報収集、時間がかかりますし、決められた時間では足りないこともありますよね。
同僚の中には、情報取り漏れがないように、自分で独自の情報収集用紙を作っている人もいました。
効率よく、少しでも短時間に情報収集ができるよう、お役に立てれば幸いです!!